人気ブログランキング | 話題のタグを見る
初夏の桂離宮
かねてから申し込んでいました「桂離宮」を見学しました。
この日は生憎の雨降り・・・傘をさしてのデジカメ散策となりましたが、
雨降りの庭園回遊もまたしっとりとした風情があって楽しむことができました。
庭園回遊は約1kmを宮内庁の説明を聞きながら1時間の見学でした。
その模様を下記桂離宮配置図を参照してご覧ください。
初夏の桂離宮_c0137342_8265266.jpg


概説
桂離宮の総面積は付属地も含めて約6万9千㎡余りである。中央には複雑に入りこむ汀線(ていせん)をもつ池があり、
大小五つの中島に土橋、板橋、石橋を渡し、書院や茶室に寄せて舟着きを構え、灯籠や手水鉢を要所に配した
回遊式庭園と数奇屋風の純日本風建築物とで構成されている。

表門(おもてもん)
桂離宮の正門である。檜丸太を門柱とし、割竹(わりだけ)を木賊(とくさ)張りにした両開きの門扉。
門扉と同じ木賊張りの袖垣をもつ。
表門は特別な場合以外は開けられることがなく右手、穂垣(ほがき)に沿って少し南側に回り込んだ黒御門(くろごもん)が用いられる。
初夏の桂離宮_c0137342_829459.jpg


見学は表門内部にある御幸門(みゆきもん)からです。
表門から50mほど入ったところにある。棟門(むなかど)形式。コルク層が厚い棈(あべまき)の皮付丸太の門柱、茅葺屋根、
割竹を簀子(すのこ)に張った門扉をもつ。
初夏の桂離宮_c0137342_8353699.jpg


御幸通りを出て外腰掛(そとこしかけ)へ出ます。
寄棟茅葺屋根を檪(くぬぎ)の皮付き丸太で支え、吹放しで二間の腰掛、砂雪隠(すなせっちん)を設ける。
初夏の桂離宮_c0137342_838092.jpg

州浜(すはま)を過ぎた付近から天の橋立、中島方向の庭園風景です。
初夏の桂離宮_c0137342_8415539.jpg

その州浜からみた松琴亭(しょうきんてい)の風景です。
州浜は黒く扁平な石を敷き並べた州浜の先端に、岬の灯台に見立てて海の景とする。
初夏の桂離宮_c0137342_8435846.jpg

松琴亭(しょうきんてい)
松琴亭は桂離宮でもっとも格の高い茶室である。茅葺入母屋(いりもや)造り。
一の間と二の間境の襖の、白と濃い青の市松模様が斬新で優れた意匠として知られている。
初夏の桂離宮_c0137342_846374.jpg


蛍谷(ほたるだに)を土橋で渡り、斜面の飛び石を登ると峠の茶屋風の賞花亭(しょうかてい)がある。
初夏の桂離宮_c0137342_9252086.jpg

その賞花亭南側の竹の連子窓(れんじまど)を通してみる風景は深山幽邃(しんざんゆうすい)の趣きがある。
初夏の桂離宮_c0137342_8534582.jpg


園林堂(えんりんどう)
園林堂は本瓦葺き宝形造りの屋根、唐破風(からはふ)の向拝(ごはい)を持つ持仏堂(じぶつどう)で、
桂宮家代々のご位牌や細川幽斎(ほそかわゆうさい)の画像などが祀ってあった。今は建物だけが残っている。
初夏の桂離宮_c0137342_855671.jpg


園林堂から見た笑意軒(しょういけん)の風景です。
四角に入り込んだ池の向こうに、笑意軒がある。茅葺き寄棟にこけら葺きの庇をつけた屋根で、深い土庇(つちびさし)を持つ
田舎屋風の茶室である。
初夏の桂離宮_c0137342_857858.jpg

中の間の南面の腰壁貼付けは、舶載(はくさい)の市松模様ビロードを金箔が鋭く切り裂く斬新な意匠で有名である。
初夏の桂離宮_c0137342_8574449.jpg

縁側のある口の間の腰高障子の上に横並びに六つの丸い下地窓(したじまど)を設けている。
その上方に掛けられている「笑意軒」の扁額は曼殊院良恕法親王(まんしゅいんりょうじょほっしんのう)の筆である。
初夏の桂離宮_c0137342_859679.jpg


賞花亭の高台から見た書院全景です。
初夏の桂離宮_c0137342_902381.jpg

桂離宮の中枢をなす書院群は東から古書院、中書院、新御殿と、雁行形に連なって立ち並んでいる。
初夏の桂離宮_c0137342_923973.jpg

古書院には池に面して月見台が設けられ、二の間の正面、広縁から池に突き出すように竹簀子(たけすのこ)でつくられている。
(傘をさす黒いスーツの人が説明員です。雨脚が強く雨粒も写っています。)
初夏の桂離宮_c0137342_925680.jpg


月波楼(げっぱろう)は古書院に近い池辺の高みに建つ茶亭で、こけら葺き寄棟の屋根、土間と膳組の間を吹き放しにした茶室である。
月波楼全体を船底天井という化粧屋根裏が覆っている。土間の上の色褪せた絵馬の絵柄は「唐船に和漢乗合之図」
また「古物之唐船に日本人船あそびの図」などとされている。
初夏の桂離宮_c0137342_96559.jpg

月波楼、中の間からは松琴亭の市松が池越しに鮮やかに見えたそうである。
初夏の桂離宮_c0137342_972997.jpg


御輿寄(おこしよせ)
真の飛石の先、石段を四段上がると天に少し起こりをつけた白川石の大きな沓脱(くつぬ)ぎがある。
六人の沓を並べられるとして「六つの沓脱」と伝えられている。
初夏の桂離宮_c0137342_983094.jpg


中門を過ぎて黒文字垣(くろもじがき)(手前左側)で説明がおわります。
初夏の桂離宮_c0137342_9102599.jpg

桂垣(かつらがき)
桂離宮には独特の竹垣がある。その代表的なものが桂垣で、芯になる建仁寺垣に竹の穂を着せ込み、
笠木を越して生きた淡竹(はちく)を折り曲げて斜めに編み下ろしたもの。
離宮の東辺に添い、桂川右岸側に250mにわたって続いている。
初夏の桂離宮_c0137342_9125052.jpg

穂垣(ほがき)
穂垣はもう一つの桂離宮の顔になる竹垣で桂垣が北で尽きた所から西へ表門を挟んでさらに南へ黒御門(くろごもん)まで、長さ109mである。
初夏の桂離宮_c0137342_9132119.jpg

いずれの竹垣も、当ブログの2月に載せました「松花堂」の竹垣は「桂離宮」の技法を取りいれたと思われます。
なを、月波楼(げっぱろう)の命名は松花堂昭乗(しょうかどうしょうじょう)と伝えられている。


by poron_55 | 2009-06-13 09:31 | その他風景
<< 紫陽花が見ごろになってきました。 花菖蒲園が満開になってきました... >>